日常業務で、Google Apps Script(GAS)を使っている人も多いのではないでしょうか。
移動中や業務時間外に少しGASを触りたい!となった時、移動中や業務時間外だと、PCにアクセスできない状況もあるかと思います。
そんな時、GASを使っている方々にとって、iPhoneをはじめとしたスマホでの編集・実行が可能かどうか気になることでしょう。実は、GASはスマホでも編集・実行が可能です。
そこで今回は、iPhoneでGASを編集・実行する方法や制限について解説をしていきます!
GASをiPhoneで編集・実行はできるの?
先述の通り、iPhoneでGASは操作できますが、PCで行う場合と比較するといくつかの制限があります。まずは、それらの制限について確認していきましょう。
アクセスの制限
iPhoneでGASを編集するためには、 ブラウザを通じてGoogle Apps Scriptのエディタにアクセスすることが必要です。
PCでGASを編集をする場合、
- スプレッドシートなどのアプリケーションから、GASにアクセス(コンテナバインド型)
- マイドライブの中にあるスクリプトのファイルからアクセス(スタンドアロン型/コンテナバインド型)
という方法が一般的かと思いますが、iPhoneからはアクセスすることができません。
そのため、safariやGoogle Chromeなどから、GASのスクリプトエディタのURLに直接飛ばないといけないのです。
編集の制限
実は、iPhoneで編集を行う際、大きな制限はありません。ただ、一つ制限を強いて言うならば、iPhoneの画面サイズやタッチ操作の性質により、編集作業がやや複雑になることがあります。特に、長いコードの編集や複数行の操作が困難な場合があります。
iPad等であれば比較的、全体のコードが見えるかもしれませんが、iPhoneの場合、部分的にしか見えない可能性があります。そのため、iPhoneでの編集は、部分的な編集の場合には適しています。
一方で全体のコードを編集するにはあまり適しておりません。(※デバイスの種別にも依存します)
実行の制限
実行する上での制限は、2つあります。PCでGASを実行する場合、
- スプレッドシートのメニューバーの拡張機能からGASを実行
- スプレッドシート上に配置したボタンからGASを実行
という方法がありますが、iPhoneの場合これは行うことができません。そのため、
- GASエディタから実行
- ボタン以外のトリガーを設定して実行
という方法で、実行する必要があります。
iPhoneでGASを編集してみよう
それでは、早速iPhoneでGASを編集してみましょう!
iPhoneで編集する方法は、Google Apps Scriptのエディタにアクセスする必要があります。
アクセス方法は、2つです。
- iPhoneのブラウザ(safariやGoogleクローム)から、Google Apps Scriptのエディタ(https://script.google.com/home)に直接アクセスし、 Googleアカウントにログイン、編集したいスクリプトを選択する方法
- 編集したいGoogle Apps ScriptのエディタのURLに直接アクセスする方法
今回は、より簡単な2の方法で実行していきたいと思います。
その方法は至ってシンプルで、PC編集時のURLをGmailで送っておいたり、ブラウザのお気に入りに登録しておいたり、LINEで送っておいたりなど、何かしらの形で共有しておきます。
今回は、Gmailで送っておきましょう。
送ったリンクをクリックして、GASの編集ページに入ります。
GASはGoogleのサービスです。安定性の担保のため、Safariではなく、Google Chromeでアクセスしましょう。
※この時、PCとiPhoneは同じアカウントでログインしていることに注意してください!
また、iPhoneでGASの編集を行う際のコツもご紹介しておきます。
やってみると、「ズームできない…」「キーボードはどこだ…」など困ることも多いかと思いますので参考にしてください。
iPhoneでGASを実行してみよう
今回は、GASのエディタから実行する方法を2つご紹介いたします。
簡単に実装できるので、チャレンジしてみてください!
GASエディタから実行
まずは、シンプルにコンソールに”Hello world”を表示させてみましょう。
function myFunction() {
console.log("Hello World")
}
編集したいGoogle Apps ScriptのエディタのURLからアクセスし、
Hello Worldを表示させるプログラムを実行します。
実行の際は、画面上部の実行ボタンを押して実行します。
ボタンの代わりにチェックボックスをトリガーに設定して実行
それでは、次はボタンの代わりに、チェックボックスをトリガーにして実行する方法を考えましょう。チェックボックス以外でもあらゆる方法でスクリプトの実行はできますが、チェックボックスがわかりやすく、便利なので、今回はチェックボックスを採用します。
A1セルに作ったチェックボタンを押したら、実行し、実行後チェックを外すプログラムを書きます。実装内容は、今の時間をB1セルに表示するプログラムとします。
function iPhoneCheck() {
let sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
let currentTime = new Date();
let formattedTime = Utilities.formatDate(currentTime, Session.getScriptTimeZone(), "yyyy/MM/dd HH:mm");
sheet.getRange('B1').setValue(formattedTime);
}
// 編集時に起動する「onEdit」関数
// チェックボックスを導入
function onEdit(e) {
let sheet = e.source.getActiveSheet(); // 変更されたシートを取得
let editedRange = e.range; // 変更されたセルを取得
// 変更されたセルがA1であるかを確認
if (editedRange.getA1Notation() === 'A1') {
// チェックボックスがONの場合
if (e.value == 'TRUE') {
iPhoneCheck(); // iPhoneCheck関数を呼び出し
}
// チェックボックスの値をクリア
sheet.getRange('A1').setValue(false);
}
}
今回は、iPhoneで実行することが目的なので、GASはPCで実装します。
このコードは、実行ボタンを押して実行するのではありません。A1セルのチェックボックスにチェックが押されたら実行されます。スプレッドシート上でチェックボックスにチェックを付けます。
A1セルを選択している状態で、「メニューバー>挿入>チェックボックス」を押してチェックボックスを挿入しましょう。挿入後は、チェックをすることで、GASが実行されます。
B1セルに現在の日付と日時が入力され、チェックボックスのチェックが外れたら成功です!実際にiPhoneでも実行してみましょう。
問題なくできましたね!
以上のような形で、スマホからも実行できるようにすると、いつでもどこからでもアクセスして動かすことが可能になります!
まとめ
iPhoneでGASを編集・実行することは可能ですが、制限や注意点があります。
編集では基本的な作業を行えますが、実行に関してはウェブブラウザを介してトリガーを設定する必要があったりなど、少し難易度が上がります。
今回はその対策や方法の一部をご紹介しました。スマホでGASを動かしたいという猛者は、是非実装してみてください!笑
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